ステッキのさまざまな使用法

永久的に不自由な体で、常に痛みを感じながら、ハウスはおそらくこの先もずっと歩くのに杖を必要とすることだろう。ステッキに右手をふさがれているため、持つことの出来るものが制限されたり、背中や肩を凝らせたり、人の見る眼が変わったりするのは、とても不愉快なことである。しかし、そこがハウスがハウスたるところ。彼はそれをうまくアドバンテージに変えているのだ。ステッキはハウス自身の分身となって、歩くためだけでなく、もっといろいろな手段として利用されている。

まず、ステッキは恰好の頭もたせである。

あるいは、顎のせにも。

または腕安め。

これは・・・鼻置き? 鼻掻き? 鼻・・・なんでしょう。

防衛に使えます。

攻撃にも。もちろん、相手は目くらの鳩や病気のネズミといった、か弱い動物がもっぱら。

症状を診断することも。例えば、寄生虫に侵された肝臓を持つ病人を殴って、彼の息苦しさが喉元のステッキのせいとは何の関係もないと証明したり・・・

・・・頭にくるほど性格のいい男が、どれだけ嫌がらせに耐えられるかを調べたり。

ステッキは親友ウィルソンを苛めるのにも便利・・・

・・・そして、ウィルソンを苛めれば、父親の葬式に遅れて着くこともできます。ハウスはウィルソンの車のキーを叩いて溝の中に。

あるいは、アクセル・ペダルを押して、わざとパトカーを追い越させ、二人揃って逮捕される。

同僚たちはみな、ハウスのリーチが優に3フィートは伸びたことを知って、さぞ大喜びでしょう。離れたところからエレベーターの階数ボタンが押せます。

遠くのものを取ったり

ドアを開けたり

クリスマス・デコレーションを引き剥がしたり

ふわふわ髪のオーストラリア人部下から食べ物を取り上げたり

ドラマティックに登場するにも、

患者の家に押し入るにも役立つし、(YouTubeで見たほうが簡単そうだったな)、

また、元ガールフレンドの結婚生活を壊そうという企みにも使える。

ノックするにも最適で・・・

・・・夜中の3時にウィルソンを起こすときも、大きないい音をたててくれる。.

危急のときは、いろんな日用品の代用になる。

野球のバットに、

玉突きのキューに、

物差しに、

ギターに、

おしゃぶりに、

マシーンガンに。

ちょっとクールに、あるいは退屈しのぎにバトン・トワリングなんぞも。

あるいは、患者のつま先を踏みつけて詫びを言い、患者に対しては同情と見せかけて仕返しを、カディに対してはその怒りを静めるという、一挙両得も。

何の罪もない本棚に怒りをぶつけてみたり、

サーティーンを苛立たせたり、

患者を起こしたり、

錠剤を砕いたり、

ドミノのスタートを切ったり、

患者の携帯電話をトイレに流したり。

親友ウィルソンは、ハウスが上の部屋で患者の自殺を手助けしているときの、アリバイ作りにも使用。

ハウスはのちに、ウィルソンがハウスの奇矯な振る舞いを、実は大いに気に入っていることを思い出させるために使用。

コーヒーを飲みたいからと、南京錠を壊すとき、

・・・色の一番黒い部下が死にかけているときに、時間潰しの新しいゲームを考えだして、心配していないふりをするときも。.

バリケード代わりに使ったり、アメフトのクローズラインよろしくウィルソンの行く手をさえぎることも。

ただ、ウィルソンを苛めるのも大概にしておかないと。彼は見かけほどいい人間ではなく、目的のためにはハウスの弱みをつくことも。

ステッキの利用法には限りがない。発想を拡げてみよう。まず、ステッキを持っている必要さえないのだ。ステッキを精神分析医のオフィスに忘れてきたことにして、掃除夫の障害者に対する同情心に訴えかけ、中に入れてもらい、こっそり元ガールフレンドの診断ファイルを覗くことだってできてしまう。

そして、忘れてはならないのは、四点杖も、ステッキがないときは同様に役に立つということである。

いかがだろう。これであなたも梗塞をおこして、不自由な足になりたいと思ったのでは? まさか、ねえ。でも、欠点や欠陥の多いハウスだが、少なくとも、彼はそのうんざりするような状況からも何かを得ている。

この他にも、ハウスはもっといろいろと、クールなステッキの使い方を見せてくれているはず。もし何か思いつかれたら、是非、こちらまで。 (できればエピソードのタイトルも明記ください。).